メキシコの覆面レスラーのあの特徴的なマスクの起源についてお話ししたいと思います。
【世界で最初のオリジナルマスク】
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こちらが世界で初めて作られたプロレスラー(ルチャドール)用のマスクです。
なんか、硬くて蒸れそうですねw
メキシコのプロレス(ルチャ)は、1863年頃にアメリカから伝わってきたとされています。
その当時は、まだスポーツとして確立されていなかったため、レスラーにとって必須のレスラーシューズなどは、ボクシング用のシューズで代用されていました。
【世界で最初にあのオリジナルマスクを作ったのは、なんとプロレスファンの靴職人!】
そんなまだまだ発展途上のプロレスでしたが、靴職人のアントニオ・マルティネスさんは、そのプロレスに大変夢中でした。
プロレスの試合があるたびに足を運び、重い荷物(おそらく仕事道具)を持ってリング前に陣取り、リングの場外に倒れこむレスラーたちが立ち上がるのを毎回助けていました。
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右がアントニオさんです。
そんな大のプロレスファンのアントニオさんは、そのプロレスの主催者であるチャロ・アグアージョ(Charro Aguayo)さんとすぐに親交を深めました。
チャロさんは、アントニオさんの職業を知るなり、ボクサー用のシューズではないレスラー用のシューズをオーダーしました。
ボクサー用だと、底が薄すぎるためレスラーへの負担が大きいためでした。
アントニオさんが作ったレスラー用のシューズはたちまちレスラーの間で話題となり、アントニオさんの名はレスラー界で一気に知れ渡りました。
【ある覆面レスラーとの出会い】
一方、アメリカで活動していたアイルランド人のプロレスラー、シクロン・マッケイ(Ciclón Mckey)さんは、無名の自分をより世間に知ってもらうために、自分用のオリジナルマスクを作ろうとしていました。
‘Ciclone’ Mackey
既製のものもありましたが、地味で目立たないし、対戦相手にすぐ剥ぎ取られてしまっていたそうです。
しかし、あいにくアメリカでは、誰一人そのシクロンさんの理想のマスク(自分の顔にピッタリと合うもの)を作れる技術を持つ者はいませんでした。
チャロさんの知り合いであったシクロンさんは、自分の顔のサイズにピッタリと合ったオリジナルのマスクの制作を、メキシコで評判の靴職人アントニオさんに依頼しました。
アントニオさんは、シクロンさんの顔のサイズを測り、ヤギの皮を使ってそのマスクを作りました。
しかし、やはり難易度が非常に高く、第1作目は顔をきつく締めつけ過ぎ、視界も悪く、大失敗でした。
アントニオさんは、諦めず、研究を重ね、顔の17箇所を採寸する技法を編み出し、最終的には、シクロンさんの顔ジャストサイズのマスクを作ることができました。※その秘密の採寸方法は、何年も秘密にされていたみたいです。
Aldebarán Rodríguez
アントニオさんは、次の試合でそれを被り、自分より有名な対戦相手より目立つことに成功し、観客から一目置かれ「あの面白いマスクの男は誰だ」とたちまち噂になり、有名レスラーに変貌を遂げることができました。
それから、素材が改良され(ヤギの皮で作られたものでは、洗えないし、発汗作用がほとんどなく、通気性が悪かった)、
今のような被り心地の良い素材に変わり、レスラーの個性を反映するような様々な奇抜なデザインのものが生まれ、
現在のメキシコのプロレスラー像が作り上げられました。
以上です。
やはり、目立ちたいって気持ち大事ですね笑
アントニオさんやシクロンさんを見習って、新しいことにチャレンジしていく精神を忘れずに過ごしていこうと思っております。
そんなこんなで、
この歴史あるルチャドールのマスクを被って食事をする変なランチ会を開いてみようと思います。
- マスクの被り心地はいかがなものか、
- 被りながら食事をする違和感はどれほどのものか、
- そして、周りのみんながルチャのマスクを被っている異様な雰囲気、
みなさん一緒に味わいませんか?
▼食事会の詳細はこちらです▼
ご参加お待ちしております。